君の手を離す日

いつかくるその日まで、子育てを頑張って楽しむブログ。

一歳児を連れてお見舞いにいく難しさ

f:id:lily03:20160531162039j:plain

父の入院に伴い実家に帰省していたため、ずいぶんブログをお休みしてしまいました。
昨日から神奈川に戻っています。

今だから言える話ですが、父は一時かなり危ない状態でした。

最初は肺炎で入院しました。私たちは熱が下がれば落ちつくだろうと考えていましたが、どんどん容体が悪くなっていき、「このままだとあと一週間もつかどうか」と医師に言われたのです。しばらくは緊張した状態が続きました。でも奇跡的に持ち直しまして、ほっと胸を撫で下ろしました。

今でも自力呼吸の補助のために酸素マスクをつけていますが、会話もできるし、自分で食事も食べられます。そのため私と息子は神奈川に戻ってきました。

実家に滞在したのは11日間です。その間、いろいろと考えさせられることがありました。今日は、「1歳児を連れてお見舞いにいく難しさ」について書きたいと思います。


息子が父を怖がる

初めてお見舞いに行った時のことです。父は個室のベッドに横になっていましたが、病室に入ってきた息子を見て、弱々しく体を起こしました。父が嬉しそうに小さな声で息子の名を呼んだとき、息子は激しく泣き始めてしまいました。。。

父は酸素マスクをつけ、体じゅうに管やホースがまきついていて、娘の私でも一瞬驚いたくらいでした。1歳の息子にはとても怖い姿に見えたに違いありません。

病床の父が一生懸命手を伸ばしたのに、息子は泣き続けます。あげくのはてに、「あっち! あっち!」と個室の出口を指すんです。見ている方が、切なかったです。

息子はもともと人見知りが強い方です。プラス病院の雰囲気、半年ぶりに会う父、なんだか異様ないでたちが加わって、手がつけられなくなってしまいました。

いくら個室とは言え泣き声が周囲の迷惑になるので、早々に食堂へ避難しました。父はベッドから動くことができないので、揃って食堂に移動することができません。せっかくの対面が、苦いものになってしまいました。

そのあとも機嫌を見て何度かチャレンジしましたが、泣いて怖がるばかりでコミュニケーションができませんでした。

* * *

次の日、父の容体はもっと悪くなっていました。供給する酸素量が日に日に上がっているそうです。先生からは、「このまま酸素量が戻らなければ、あと一週間もつかどうか……」という説明がありました。

それでも父はお見舞いに来た息子の姿を見て喜び、こちらに必死に手を伸ばしてくれました。

私としては、「どうかここで父の手を取ってほしい」という気持ちでいっぱいです。もしかしてこのまま旅立ってしまうかもしれない父に、息子との思い出を作ってあげたい。

でも息子にはそれが通じず、昨日と同じく「あっち! あっち!」と父を拒否。

「こげなんいっぱい着けちょんけん…怖いんかのう…(こんなものをいっぱい着けているから…怖いのかなあ…)」と父は悲しそうに言いました。

避難した食堂で息子を抱っこしながら、父の心情を思って辛くなりました。

* * *

この状況を打破するには、とにかく何度も父に会わせるしかないと思ったので、滞在中はほぼ毎日病院に通いました。変化が出てきたのは4日目ぐらいでしょうか。

今まではとにかく病室を出たがりましたが、15分くらいだったら病室にいてくれるようになりました。父の方に積極的に寄ってはいきませんが、病室に留まってくれるだけでも大きな進歩です。

父の肺炎の原因が突き止められたのもこの頃です。ニューモシスチス・カリニ肺炎というもので、空気中のカビが原因なのだそうです。

原因が分かると、それに効く抗生剤を出せるようになりました。その薬が効いたのか、父の症状が改善していきました。

息子もちょっとずつ慣れていったようで、父と手をタッチできるようになりました。一週間が経つころには、覚えたての「じいじ」という言葉も披露してくれました。


思ったこと

帰省して、初めて病室のドアを開けるまでの私は、こんなドラマを頭に描いていました。

弱った父に会うと、息子もなんとなく感じるものがあり、父とすぐ仲良くなってくれるだろう。

でも現実はそううまくいかなかったです。

危篤状態になってから帰省した場合、普段から人見知りの強い一歳児が、上手にコミュニケーションを取るのは難しいのではないかと思います。

病床にいる人は体にいろんな機械がついていたり痩せていたりして、そのへんの見知らぬ人よりもっと警戒の対象になってしまうからです。それに、注射の痛みを想起させる医師や看護師さんたちが病室にしょっちゅう出入りします。

今回は時間をかけることで解決しましたが、いつも時間に余裕があるとは限りません。

これからの私にできることは、息子に親の写真をたくさん見せて、大事なおじいちゃん、おばあちゃんであると認識させておくことでしょうか。子供の写真はよく親に見せていますが、その逆はあまりなかったことに気付きました。 LINEのビデオ通話なども積極的に活用していこうと思います。

私と息子も、怒涛の帰省の日々から、少しずつ日常に戻っていくつもりです。