イヤイヤ期真っ最中の息子。この時期特有の変なこだわりに振り回されて、毎日がつらいです。
例えばおととい。習い事に行くため、これから出かけようとしていたときのことです。息子も出かけることはわかっていて、「いこうー! いこうー!」と言っていました。
私はいつものように、息子を抱っこしてテレビのスイッチを切ってもらおうとしました(自分でスイッチを押さないと怒り出すため)。そうしたら息子は、その日に限ってスイッチを押すのを嫌がりました。
珍しいこともあるものだと思いながら、代わりに私がテレビを消してあげたら、「まだ、テレビ!」と怒る息子。願い通り私がもう一度テレビのスイッチを入れると、安心したように一人で玄関に向かっていきました。
私としては「???」です。
なんでテレビを付けたまま出かけようとするんだろう? 今までこんなことなかったのに。
さっきまでクロームキャストでYOUTUBEを見ていたので、テレビのスイッチを入れてもホーム画面が映し出されているだけです。音はありません。
とりあえず私も玄関に行き、息子が靴を履くのを手伝いました。それから「ちょっと待っててね」と言ってリビングに戻りました。テレビを付けたまま外出したくなかったので、こっそり切ろうと思っていました。
テレビのスイッチを切って安心したのもつかの間。「ギャー!!」という声が玄関から聞こえました。続いて、ドタドタという音がしたのでそちらを見ると、息子が廊下を走って来るところでした。しかも、靴をはいたままです。。。
玄関からはテレビが死角になるのに、「…カチッ」という音が聞こえてしまったようです。地獄耳!
彼はリビングまで来て、テレビを指さしながら癇癪を起こしはじめました。「ママ、てーび、押した! ママ、てーび、押した!」と訴えてきます。焦った私はもう一度テレビのスイッチを入れましたが、息子は抱っこされるのも嫌がって暴れます。
そのうち「電車、…たい!(電車、見たい)」と泣きながら言い始めました。これから出かけるのに、電車の動画を見たいと言うなんて。でもここが落としどころだと思ったので、またYOUTUBEの電車の動画(2分くらい)を見せました。
靴は履かせたままです。なぜなら、靴にもこだわりスイッチがあるから。私が脱がせようものなら怒り狂います。
動画が終わって、気持ちも切り替わったようです。「じゃあ、行こうか」と言うと素直に玄関に向かいました。私は息子の背中を見ながら、彼が歩く音に紛れて、こっそりテレビのスイッチを切りました。
間の悪いことに、途中で振り返った息子。またギャーッと怒りだしました。これはもう強制連行しかないと思い、無理やり息子を抱っこして玄関に連れていきました。そしたら私の腕の中で暴れて、力がゆるんだすきに逃げ出され、リビングまで戻られてしまいました。
息子「電車、…たい!」
私「………」
はい。2度目の電車です。
もう、電車が憎らしく見えてきましたよ。
動画が終わったので、テレビを付けたまま、私も一緒に玄関まで行きました。今度こそ失敗できません。私は演技作戦を取ることにしました。
「あっ、ママ、ハンカチ忘れちゃった。ちょっとここで待っててくれる?」
素直に頷く息子。
私はリビングまで戻り、「ハンカチ、どこかなー?」と大声で言って、その声でテレビのスイッチを切る音をごまかし、ハンカチを持って玄関に戻りました。
「ハンカチ、あったよ」と見せると、「はんかち、あた」と繰り返して言う息子。どうやらバレていない様子です。少し気が咎めますが、こうでもしないと出かけられません。
こうして、なんとか家を出ることに成功しました。習い事には、少し遅刻しました。
なんでテレビのスイッチ一つ切るのに、こんなに気を遣わないといけないのでしょうか。時間がかかるのでしょうか。
テレビだけでなく、一事が万事こんな状況です。ふとしたことで手がつけられなくなる息子を前に、私の気持ちはもうボロボロの靴底みたいにすり減ってしまっています。
日中ずっとこんな調子なのに、寝かしつけにも手間取っています。最近は1時間半かかることもあります。息子は寝室とリビングを行ったり来たり、やっと寝そうだと思ったらムクッと起き上がって電車のおもちゃを手に取ったりして、「もうーー!」と心の中で絶叫しています。
その日ももう23時になるのに全然寝なくて、気持ちが爆発しそうでした。それで、夫が帰ってきたのをいいことに、夫に任せて家を出ました。こんなこと初めてです。ママ―!という泣き声が聞こえましたが、振り返りませんでした。
やってきたのは深夜のファミレス。ここしか行くところがありませんでした。
お客さんは少なく、私のほかにはサラリーマンと女性二人連れしかいませんでした。
私は一番端の席に座りました。
お店の中は、人工的な白い蛍光灯が明々と輝いていました。
はっきり言って全然お腹は空いていません。でもやけ食いがしたくなってドリアを注文。
しばらくして、料理が運ばれてきました。目の前には、熱々のドリア。一口食べてみると、とてもおいしかったです。
半分くらい食べたところで、お腹が苦しくなってきました。でもそのまま機械的にスプーンで口に運び続けました。ドリアをすくっては食べ、すくっては食べていると、涙が出てきました。私何をしてるんだろうーって。
急に家を出てきたためハンカチを忘れたので、テーブルにあった紙ナプキンを拝借。目に当てたら硬かったです。「やっぱりティッシュかハンカチじゃないとダメだなあ」と思い、なんだかおかしくなってきて、ちょっと元気になりました。
24時半、気持ちも落ち着いたので、家に帰ることにしました。
会計の際、店員さんが次回使えるクーポンをくれました。『ディナータイム15%引きで、22時まで使用可』と書いてありました。お礼を言ってクーポンに目を落としていると、店員さんが焦ったように、「それ、22時までと書いてありますけど、夜はいつでも使えますから、おっしゃってくださいね」と言ってくれました。
店員さんも私の様子に何か感じていたのかもしれません。
そんな気遣いの一言が嬉しくて、もう一度お礼を言ってお店を出ました。もう深夜に一人でファミレスに来るのはやめたいので、クーポンは使わないで済むといいのですが。
そっと家に戻ると、部屋は真っ暗になっていました。寝室に入ると、夫と息子が仲良くベッドで寝ていました。ああ、あの後何とか寝かしつけてくれたんだ、と夫に感謝しました。ママなしで寝てくれた息子にも。
寝顔を見るとこんなにかわいい。寝ている息子に頬ずりしました。大丈夫、まだ頑張れる。
ブログはいつも息子が寝ているときに書いています。私の趣味でもあり、気持ちの整理にも一役買ってくれています。次回は明るい記事を書きたいと思います。
お子さんのイヤイヤ期に手を焼いているお母さんたち、一緒にがんばりましょう。