ある日の寝かしつけの際、息子がこんな話をしてくれました。
「あのね、今日幼稚園で、〇〇くんと△△くんに、『いっしょに鬼ごっこしよ』って言ったら、『ダメだよ』って言われたの」
〇〇くんと△△くんは息子と仲が良く、友達関係に問題はありません。だから仲間はずれとかではなく、ただ単純に二人はその日鬼ごっこをしたくなかったのだと思いました。
私は「その二人は、別の遊びをしたかったんじゃない? そういうときだってあるよね」と答えました。
そうしたら息子は、こう言いました。
「あのね、『お砂場で遊んでるから、今はダメだよ。あとでね』って言われたらわかるの。でもそれを言わなずに(文法間違い)、『ダメだよ』としか言わなかったの。なんでだろう」
この発言から分かる、息子の主張はこちら。
遊びの誘いを断るときには「ダメだよ」だけでなく、「今は〇〇しているから」とか、「あとで遊ぼう」などの、クッション言葉を入れてほしい
息子は「ダメだよ」とだけ言われたため、傷ついてしまったようです。なんてガラスのハートなんでしょうか。それを、夜になってまでクヨクヨと気にしていたんです。
ひとまず私は「〇〇くんも△△くんも、ただその時鬼ごっこをしたくなかっただけ。別にあなたのことが嫌いになったわけじゃない。もし断られたら、ほかに鬼ごっこをしてくれる人を探せばいいよ」と答えました。
息子は「うん」と答えていました。
その後しばらくは注意して息子の話を聞いていましたが、やはりその日限りのことだったようです。相変わらず〇〇くんと△△くんとは仲良くしていました。
私も息子と同じように、小さいことを気にしてしまう性格なので、気持ちはよくわかります。でもこういう性格だと生きづらいことも、経験上よく知っているんです。
できれば息子には大らかにのびやかに育ってほしいです。「遊べない」と言われたら、いつまでも引きずらずに、すっと気持ちを切り替えてほしいです。
でも息子にはそれが難しいんですよね。遊んでくれなかった原因が自分にあるのかと自分を責めたり、お友達に嫌われているのかと悩みがちです。
ですがこの性格にはいい面もあります。傷つきやすい分、人にはとても優しくできるんです。
たとえば、同じクラスのみんなでお砂場で遊んでいたとき。
ほかのクラスのお友達がお砂場に入ってきたら、「違うクラスの子はお砂場に入っちゃだめ」と言った子がいたそうです。でも息子は「ちがうよ。違う組のお友達も、お砂場で遊んでいいんだよ」と言ったそうです。それでみんなで仲良くお砂場で遊ぶことができたそうです。
他にも、「クラスのおともだちが泣いていたら、息子がやってきて、いつもなぐさめてくれる」とか、「やり方がわからない子がいたら、息子が率先して教えてあげている」など、嬉しい報告も聞きます。
優しいことはいいことです。
でもそれが弱さにつながってしまわないように、どう育てていけばいいのか、悩む日々です。